An Interview with Kahori Higashi, Director of Melting Sounds [Osaka Asian Film Festival 2022]

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Deceptively simple but quite profound, Melting Sounds is a very moving yet quietly funny first feature film from freelance designer-turned director Kahori Higashi. In her work, she ruminates on the issue of mortality in a unique way: a patchwork family record sounds of everyday life in a small town to create a “sound grave.” This consists of a mismatched group of a young woman named Koto (xiangyu) an old man named Take (Keiichi Suzuki) and two others (Amon Hirai and Umeno Uno) recording everyday life on cassette tapes and burying them in the ground. The charm of the film is seeing how the characters gel together into a family while the film gains tremendous emotional resonance from discovering reason why they perform such an odd task. It definitely has the potential to move viewers to tears after a lot of chuckles.

The film is part of the most recent MOOSIC LAB competition and was featured in the Osaka Asian Film Festival 2022 and Nippon Connection 2022. The cast is led by musicians xiangyu and Keiichi Suzuki, the former a rising electropop star who has collaborated with Wednesday Camponella, while the latter is co-founder of the rock band Moonriders and a soundtrack artist whose works include video games Mother (1989) and EarthBound (1994), and the film scores for The Blind Swordsman: Zatoichi (2003), Tokyo Godfathers (2003), Uzumaki (2000), and Takeshi Kitano’s Outrage trilogy. Considering that this is Higashi’s first feature film after making just a handful of shorts, it’s quite an achievement as she tackles a sensitive subject with a unique concept, a well-thought-out setting and use of nostalgia, and an ability to channel subtly comedic performances from her cast. You can read my review to find out more.

Ahead of its screening at K’s Cinema in Shinjuku (from July 16th), director Higashi goes into her background, the making of the film and explains where her ideas came from, working with the musical and acting talents, and the nostalgic items and sounds that mean so much to her. This interview was done with the help of Takako Pocklington’s translations.

The Japanese-language interview is followed by the English.


Japanese

東監督、この映画を作って下さってありがとうございます。また、メールインタビューのお時間をいただき、感謝しています。この作品、何度も観返し、そのたびに涙ぐみました。孤独を抱えた他人同士が偽装家族になっていく様子、そしてそれぞれが自分の愛する人を心に繋ぎ止めようと模索する姿にとても心動かされました。監督に伺いたいことがいくつかあります。お答えいただければ嬉しいです。

こちらこそ、この度はお声がけいただきありがとうございます。
そしてあたたい感想、心に沁みます。何度も観ていただけたとのこと、大変光栄です。

映画監督になろうと思われたきっかけは?

グラフィックデザイナーとして7年間会社で勤務している中で、自分の人生の先が、なんとなく想像できたんです。その時に、この生活は満足なんだけど、いつか後悔しそう、という考えが頭をよぎりました。
中学生の頃から映画が好きで、レンタルショップでDVDをまとめて借りては、毎日のように観ていました。今でもかわらず映画が好きで、こんなにはまるものって他にないし、一番好きなものに挑戦しないまま死ねないなと思い立ち、27歳の時に映画学校に通い始めました。

この映画は『土曜日ランドリー』『湯沸かしサナ子、29歳』に続く、監督初の長編映画ですね。前回より大きな企画に取り組まれてみて、どんなふうに感じられましたか?

短編映画は、日常の中で面白いと思ったワンシーンを映像にしていくイメージなんですが、長編映画は短編をくっつけていくような感覚で、お話し全体を構成する難しさや楽しさがあるように思いました。また、短編映画は1人でもある程度準備できたりするんですけど、長編となると、1人でできることの方が少ないというか。元々、人見知りで大人数での行動が苦手な性格だったのに、自分から人と繋がっていこうと行動するようになって。過去の自分が見たら驚くと思います。

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『ほとぼりメルトサウンズ』の作品のテーマの一つに、どんな人にもいつか訪れるという死、が挙げられます。このテーマは、MOOSIC LABによって公開された他の作品、例えば『眠る虫』『ソウル・ミュージック』、『曇天タウン』などとうまく調和しているように思いました。似たテーマを扱ってはいるけれど、監督の作品をはじめ、それぞれが個性的な作品となっています。

音の墓”というものと、映画の中でのその使い方が何とも独創的です。そのアイデアは一体どこから湧いてきたのか、また物語をどういうふうに膨らましていかれたのか、お話ししていただけますか?

土の中から、亡くなった方と繋がることはできないだろうか?と考えたことがきっかけです。自分の姿形はなくても、魂だけが存在しているという、不思議な夢を見たことがあって。その時も、音だけは感じていて、音だけは自分なんです。

生きてるうちに聞けなかった音達を、土の中に染み渡らせ、聞くのではなく、感じることができるのではないかと思い、”音の墓”という設定を考えました。

人生から切り離すことのできない死、ということが作品の根底にあるので、この映画の中にコロナのことが出てこないのはなぜだろうと、観る人は思うかもしれません。この作品を作るにあたって、何らかの形でコロナの影響を受けたということはありますか?

この映画は、コロナ禍になる1年前の世界に設定しています。コロナによって撮影も伸び、セリフを変えたり、追加したり。脚本の中の世界も変わっていきました。この映画の後半に「今って2時間映画だとしたらどのあたりなんだろう?」というコトの台詞があります。生きていて、未来は本当に予測できないなと感じたので、そういった意味を込めました。たった1年で、こんなにも世の中変わってしまうなんて。それは人の命とも似ている気がしています。いつが人生の中盤で、いつがラストシーンかは誰にも予測がつかないので。

この映画は、シンプルですんなり理解できるストーリーでありながら、じわじわと観る者の心を捉える作品です。ただ一つ、理解不可解な部分があります。あのヤッポ爺の出現です。ヤッポ爺とは一体何者なのか、その登場には何か特別な意味があるのか、教えていただけますか?

私はよく、変な夢を見るんです。

それを夢日記にしていたりするんですが、この映画の脚本を進めていく日々の中で、気になる人が夢に出てくるようになったんです。

その中の1人が、このヤッポ爺です。小さな妖精のようなおじいさんが、私の顔を見つめながら、意味深な発言をしたんです。「ひとりいったらまたいくやね。小さな村の小さなやっぽ」(英訳:One disappears and the other follows. The little Yappo of a little village.

これがなんとなく、人の生死について語っているように思えて。何かのお告げかもしれないと思い、入れています。

この作品には、郷愁を覚える小道具がたくさんでてきます。監督が懐かしさを感じるものの中で、特にお気に入りのものは何ですか?

カセットテープレコーダーです。小学生の頃、これを父の部屋で見つけたとき、衝撃をうけました。自分の声を録音して、すぐ再生することができるなんて。すごく気に入って、父に貰いました。友達と自作の歌を吹き込んで、家族にばれないように、布団の中でこっそり聞いていたのを覚えています。当時かなりの人見知りで、クラスでも目立たない暗い性格だったのですが、録音した音の中の私は、明るくて楽しそうで。生きている感じがしました。

この作品は、xiangyu(シャンユー)さんにとって、役者としての初出演作になります。彼女の天真爛漫な存在感のおかげで、暗くなりがちな部分も重たくならず、作品を軽やかで楽しいものにしています。一緒にお仕事されてみてどんな感じだったか、また、xiangyuさんの音楽を映画の中に用いられたことについてもお話しを聞かせていただけますか?

アーティストであるxiangyuさんには、元々音楽だけでお願いする予定ではあったんですが、お会いしてから、出演もしてほしいとすぐに思いました。

彼女は、役を演じるのではなく、役になれる方で、撮影の休憩中もずっとコトちゃんでいてくれた印象があります。

コトの表情がアップのシーンがあるのですが、泣くのを堪えているような絶妙な表情をしているんです。カットをかけたあとに、xiangyuさんの元へ行くと、「コトは、泣くのを堪える子だと思うから、泣かなかった」と言いながらポロポロと泣いていて。
この映画は、悲しいところでも、変に重たくしたくなかったんです。その意図を自然と汲み取っていた彼女に驚きました。音楽にも同様にその感覚が出ているというか、彼女の歌詞は、口にだすと気持ちがいい語呂だったり、直接的ではないのにぐっとくる言葉もあって、映像が浮かぶようなリアリティもある。いや、すごいなぁと。ただただ尊敬しました。「
LIFE !」は、この映画らしさがつまった、私の大好きな曲です。

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今回初めて、鈴木慶一さんのことを知りました。ミュージシャンだということはうかがってはいたのですが。どうして鈴木さんをキャスティングされたのか聞かせてください。

プロデューサーが、タケ役は、鈴木慶一さんはどうですか?と提案してくれたんです。

その時に、タケの役と、鈴木慶一さんのイメージがぴったり合致して。是非お願いしたい!と思ったのですが、まさか自分の映画にメインキャストとして出演してくれるなんて無理だろうなと、ダメ元でオファーをしました。

脚本も一緒に送ったのですが、アーティストである鈴木慶一さんの書かれた歌詞に、テープレコーダーに自分の声を入れて、土に埋めるという内容があったんです。
でも、これはオファーをする前は知らず、本当に偶然で。
その偶然に、慶一さんも大変驚かれていて、その縁もあり出演いただけることになりました。その他にも色々な偶然が重なって、後からびっくりすること多々でした。

そして、鈴木慶一さんにタケを演じていただけたからこそ、温かくて独特な雰囲気ができたのだと思います。慶一さんはメインキャストの中で、1日早くクランクアップだったのですが、みんなで泣きながらお見送りしました。全然、またすぐ会えるのに。そのくらい、撮影期間の彼の存在は大きいものでした。

宇乃うめのさんとは前述の短編映画でもご一緒されてますね。その特徴のある外見と、さりげなくポロッと可笑しいことを言うところなど、スクリーンの中の宇乃さんを観ているのが楽しかったです。監督は宇乃さんの演技のどういったところが好きなんでしょうか?

宇乃うめのさんは、私の親友なんです。それから私と性格が非常に似ていて、居心地がいい。そして、この作品の中で浩子は、主役ではないですが、重要な役どころです。

宇乃さんとは、よく一緒にいるからこそ、客観的に見るようにしていました。

距離が近いからこそ、嘘っぽく聞こえそうなので、本人にうまく伝えられなかったんですが、ユニークなお芝居も真剣な佇まいも、ちゃんと彼女らしさを感じて、改めて良い役者さんだと心から思いました。

彼女の魅力は、表情の変化だと思います。クスッとさせるのがうまいんです。
あと、私的にごはんを食べている姿が、微笑ましくて好きです。この作品には出てきませんが、カップラーメンを啜ってる姿が特に良いんです。
今後、映画の中で食べてもらおうと思います。

これからも、私の映画に欠かせない存在です。

 

もし音の墓に音を埋められるとして、その音を四つだけに限定しなければならないとしたら、監督はその四つにどんな音を選びますか?

91歳の祖母の歌声。

家族でリビングでくつろいでる時の、家族団欒の音。

あとは、朝ご飯が大好きなので、朝食を作る音。

私にはまだ子供はいませんが、いつか生まれたらその子の産声を埋めると思います。


Melting Sounds Film Poster

English

What inspired you to become a filmmaker?

After working as a graphic designer for a company for seven years, I could imagine my future. Although I was content with my life at the time, I thought I might regret it some day. I have always liked films since I was in junior high school. I rented many DVDs and watched them almost every day. I do still love films. I thought there was nothing but films that I could let myself by absorbed into and I wouldn’t want to die without even trying to do something I love. Then, I started going to a filmmaking college at the age of 27.

This is your first feature film after making The Saturday Laundry and Sanako Yuwakashi, 29 Years Old. Can you talk about what it was like to work on a bigger project?

Making a short film is like committing to celluloid the interesting scenes of daily life. In contrast, making a feature film seemed like putting short films together. I found it challenging but also pleasurable to structure the story for a feature film. You might be able to prepare a short film by yourself to some extent, but for a feature film, there is only so much that you can do by yourself. I used to be shy and was not good at doing things with other people, but my behaviour has changed and I have started trying to connect with others proactively. My former self would be surprised when seeing my current self.

In terms of themes in Melting Sounds, mortality is a major one. This fits with other projects released under the MOOSIC LAB label such as The Sleeping Insect, Soul Music, and Dong Teng Town. Despite sharing similar themes, each of these films is unique as is yours. The idea of a “sound tomb” and how it is used in the film was ingenious. Can you explain where the idea came from and how you developed the story?

I wondered if we could connect with deceased people in the ground. It all started from this question. One night, I had a strange dream, which contained images of my soul existing without its body. In the dream, I felt only sound and the sound was me.

I then thought that the sounds people could not hear when they were alive could permeate the ground and that people would be able to feel them instead of hearing them. That was how I got the idea of the “sound tomb”.

Melting Sounds Film Image 2

Due to the subtext of mortality, viewers might wonder where Covid-19 is in the film. Did the pandemic affect the film’s production in any way?

This story takes place in a world one year before the Covid-19 pandemic. The shooting was postponed due to Covid. Consequently, I changed the dialogue and also added lines to it. The world within the script changed as well. There is Koto’s line in the last half of the film, “If this were a two-hour film, where would we be now?” I strongly felt that the future is unpredictable while living in the current situation. I expressed this uncertainty through the line. Who could predict that the world would dramatically change like this just within a year? This uncertainty seems similar to human life. Nobody can tell where the halfway point or the final scene of our lives is.

The film is seemingly simple and easy to understand but it has depth that sneaks up on a viewer. There is one mysterious part and that is the presence of Old Man Yappo. Can you explain who he is and the importance of his presence in this film?

I often have weird dreams. I keep them in a diary. While writing the script for the film, interesting people started showing up in my dreams. Old Man Yappo was one of them, a small fairy-like old man who made a profound remark whilst staring at me.

“One disappears and the other follows. Little Yappo of a little village”

It seemed like he was telling me about life and death. I thought it was a kind of a revelation and I then inserted it in the film.

The film has lots of props that would create a sense of nostalgia. What is your favourite nostalgic item?

A cassette tape recorder. I was fascinated by it when I found it in my father’s room during my primary school days. I found it amazing that I could record my voice and play it back instantly!

I really liked it and asked my father to let me have it. I would record songs with friends and then listen to them secretly by putting a futon over my head. I used to be rather shy and kept a low profile in class at the time. However, the “I” which existed in the sounds sounded cheerful and jolly. I felt as if she were alive.

This appears to be xiangyu’s first acting role. She has an exuberant presence that keeps the film lighthearted even if it goes to dark places. What was it like working with her and implementing her music in the film?

Initially, I planned to ask xiangyu as a musician to participate in the film just for the music. However, soon after meeting her, I knew I wanted her to play a role as well.

She is a person who can disappear into a character, not just act it and I got the impression that she remained “Koto-chan” even off-set during filming.

There is a scene with close-up of Koto’s face. It looked like she was trying not to cry and she had an exquisite expression on her face. When I approached her after stopping the take, she said whilst shedding tears, “I thought Koto is the kind of girl who holds back tears, so I didn’t cry.”

I did not want the tone of this film to be unnecessarily heavy even in the sad scenes. I was amazed that xiangyu had naturally read my intention. I think her intuition is also implemented in her music. Her lyrics have a pleasant ring to them, and hit home for me even if they aren’t that direct, as they help me picture images that are moving and realistic.

I really admire her talent and respect her.

Her song “Life” truly captures the vibe of “Melting Sounds.” I like the song very much.

This is the first time that I have heard of Keiichi Suzuki. I have been told he is a musician. Can you explain why you cast him?

The producer suggested casting Keiichi Suzuki for the role of Take.

I thought the image of Take and Suzuki-san matched perfectly. I really wanted to ask him to play the role and yet I thought it might be impossible for him to appear as the main cast in my film so I asked him with little hesitation like, “There is no harm in trying. Why don’t I just give it a go?”

I sent the script to him. I found it out later but one of his songs has the line “I put my voice on a cassette tape recorder and bury it in the ground”. I hadn’t known about it at all until contacting him. It was purely coincidental.

Suzuki-san was also surprised by this coincidence and it was thanks to this twist of fate that he kindly accepted my request. There were also a series of coincidences apart from this, which amazed me afterwards.

Because it was Suzuki-san who was playing Take, we could put ourselves in a warm and exceptional atmosphere. He finished shooting a day before the rest of the main cast. We sent him off crying despite knowing that we would be able to see him again soon. You can imagine how significant his presence was for us during filming.

Umeno Uno has worked with you in the aforementioned short films. She has strikingly unique looks and a deadpan sense of humour, so I enjoyed watching her on screen. What is it about her acting that you like?

Uno-san is my best friend. Her personality is similar to mine, so I feel very comfortable with her. Her role of Hiroko is not the main character but she is crucial in the film.

I tried to perceive her objectively since we are often together. As we are so close, I struggled to give my honest opinion to her because I was worried I would sound false, but I have again realised Uno-san is a great actress. No matter what she plays, humorous or serious, she manages to exude her nature with a gentle demeanour.

Her charm is the changes in her facial expressions. She is good at making people chuckle.

I personally like her eating posture, which is so charming. You don’t see it in this film, but she looks exceptionally charming when slurping cup noodles. I will make her eat it in my future films.

She is indispensable to my films.

If you had to have four sounds you wanted to put into a sound grave, what would they be?

The singing voice of my ninety-one-year-old grandma.

Sounds of my family having a pleasant and relaxed time together in the living room.

Sounds of making breakfast as I like breakfast very much.

I don’t have a child yet, but I will probably bury the sound of my baby’s first cry when they are born.

You can see the film at K’s Cinema in Shinjuku from July 16th.

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