An Email Interview with Hiroshi Gokan, Director of “Gotō-san” [Osaka Asian Film Festival 2021]

The Osaka Asian Film Festival has a number of sidebars and one of the more exciting is dedicated to works supported by the Housen Cultural Foundation, a funding body that provides support to students at the graduate school level. It is here that you will get challenging, deeply personal, or experimental works from a new generation of voices. This year’s crop of titles were all particularly involving and unique. One film that really spoke to me was Gotō-san from writer/director Hiroshi Gokan which struck at the heart of the uncertainty of our age.

Gotō-san is the story of a young man who has chosen to pursue an unconventional life. The titular character, Gotō (Hirofumi Suzuki 鈴木浩文), lives and works in a 24-hour internet café in Tokyo. He seems to have struck the jackpot when it comes to leading a laidback lifestyle and he even gets into a romance with a fellow internet café resident, a young woman named Riko (Tomomi Fukikoshi 吹越ともみ). Beneath this quirky narrative, director Gokan subtly shows trouble brewing in the background with glimpses of a deteriorating jobs market and the Covid-19 pandemic rearing their head until they eventually turf Gotō out into the harsh reality of life. It’s a breath-takingly bleak series of unfortunate events that radically alter the narrative and causes our lead character’s lifestyle to unravel.

You can read my review here, but I felt that Hiroshi Gokan made an astute assessment of the fragility of society that worked because it used an offbeat set-up and characters to take in many socio-economic details without belabouring any points.

So, who is the director? Hiroshi Gokan earned a Master’s in directing at the Graduate School of FilmGoto-san_Gokan_portrait and New Media, Tokyo University of the Arts. Teto, his first feature and graduation project, starred Sakura Ando. His 2012 short Aohige was a co-production between Tokyo University of the Arts and Korean Academy of Film Arts. He has worked on making-of videos for directors such as Kiyoshi Kurosawa, Masayuki Suo and Shinobu Yaguchi. He generously participated in an email interview where he provided a lot of answers that revealed why he cast lead actors Hirofumi Suzuki and Tomomi Fukikoshi, how he created the space of the internet café, and also his stance on weaving real-life into his stories and the impact of Covid-19 on the production. 

This interview was done with the invaluable help of Takako Pocklington who translated between English and Japanese.

The Japanese transcript is first and it is followed by English. Click on a link below to be taken to one or the other.

Japanese English

Goto-san Film Image Hirofumi Suzuki

Japanese

この映画を作ってくださって、そしてインタビューに応じてくださってありがとうございます。

こちらこそ、映画を見てくれて、そして素晴らしいレビューを書いてくれてありがとう!

『ゴトーさん』のアイデアはどんなところから生まれたんですか?

東京藝大の映画専攻にあるプロデュースコースでの企画コンペが始まりです。台湾出身の学生プロデューサー(本作の企画プロデューサーです)が出した企画が、自身の友人がネットカフェに住みながらそこで働いていたという、本当にあった話を元にしたものでした。その設定を生かして、ネットカフェという限定的な狭い空間の特異性を引き出せたら面白いのではないかと思い、脚本にしていきました。

この映画には、風変わりな恋愛映画とホラー映画のような2つの側面がありますね。

おそらく両方ともゴトーという人物の得体の知れなさに起因していると思います。彼は少し変わった生活をしている平凡な男ですが、分かりやすいキャラクターをつけたり、内面的な心情を吐露をするような人物としては描きませんでした。なので、画面の中で何かを主張するのではなく、その空間に彼は埋没するように存在しています。日が差さない薄暗いネットカフェの中にゴトーがいるだけで、何を考えているのか分からない不気味なホラーっぽさが醸し出されています。また、恋愛に関しても、画面の中では性的なイメージに溢れているのに、ゴトーがしているのはとても幼稚でおままごとのような恋愛です。彼は恋愛においてすら自分を表現することがありません。そこに風変わりな恋愛映画の側面が生まれたと思います。

この主人公は、今の若い世代を象徴するかのようなキャラクターだなと思いました。将来のキャリアプランもない、今とは違う生き方をしようという欲もない。この主人公を通して何を伝えたいと思われたのですか?

身も蓋もないことを言ってしまうと特にはありません。ただ、質問にあるような人物像についてはまさにゴトーはその通りの人間であり、そういった生き方を肯定する気持ちで映画を作っていました。前向きに、高みを目指して、といったようなポジティブさを当たり前とするような風潮が苦手で、そこから極端に反対に振れているゴトーのような人物の方が私には愛着があるかもしれません。

鈴木浩文さんはこの人物をうまく表現されていました。この映画の持つトーンを終始崩さないことが大切だと感じたのですが、鈴木浩文さんを主役にされたのは何故ですか?

オーディションで見た時の、座り姿が決め手でした。この映画では座りながらの演技が多いので、その点は重視していました。鈴木さんが演じてくれたネットカフェのブース内での脱力した座り方で、ゴトーという人間がそこを棲家としていることが一目で表現できていると思います。また、幅広いグラデーションの演技ができる俳優でありながら、「こうしないでくれ」という引き算の演出の要求にも素晴らしい答えを見せてくれました。一例を挙げると、「ゴトーさんて、多分あんまり人の目を見て話せない人なんですよね」とポロッと言ったら、全編に渡って見事にそのニュアンスを汲んだ演技を見せてくれました。

登場人物の中で、リコのキャラクターが特に面白いなあと思いました。性風俗業界で働く人に対して蔑むような感じはどの社会でも見られます。ところが監督は、リコを、主人公よりはるかに志のある人物として描いてられますね。彼女の存在で何を伝えようと思われたのでしょうか?

特に職業的に何か意図したところがあるわけではなく、懸命に足掻いて現状を生きている一人の人間としてリコを描きたいというのはありました。ただ、セックスワーカーに対して、社会が勝手に押し付けるステレオタイプやストーリーのようなものからは遠く離れようと思っていました。その方が必ずリアリティがあると信じているからです。

吹越ともみさんをこの役にキャスティングされた理由は?

華奢で儚そうに見えるのに、その奥に芯の強さのようなものが感じられる佇まいに惹かれました。さらに吹越さんは日常的なトーンの演技が抜群に上手でした。リコが最初に登場するシーン、ネットカフェのブースの中で電話をとる場面から吹越さんの撮影は始まったのですが、声をひそめながらも気を使わない感じや、店に対するぞんざいな話ぶりなど、リコという人間の背景がすぐに伝わってきました。自分で脚本を書きながらも、なかなか掴みにくかった登場人物であったのですが、吹越さんのおかげで、この映画にリコが生まれたと思っています。

それぞれの登場人物の役の演技指導はどういう風にされたのですか?物語全体について詳しく話し合われたのですか?役者さんたちにアドリブで演じることを許されました?それともあくまでも台本通りの演技を求められたのですか?

クランクイン前に一日だけ本読みができたので、その時に物語全体や台本には書かれていない個々の役柄に関することを話し、あとは基本となる演技のトーンのようなものをディスカッションしながら決めました。現場では細かい動きや位置についてはよく注文を出しますが、それ以外はあまりタッチしません。台本も完璧に守る必要はないといつも伝えます。アドリブに関しても全てOKになるわけではありませんが、役者が役を演じている中で思わず溢れてきたように見えるものはなるべく採用しています。

ヒゲベスト”の未亡人は、(映画の中の)現実に本当に存在している人物ですよね?でも最後の方のセックスシーンは、悪夢あるいは彼の精神面が投影された妄想みたいなものだったんでしょうか?

混乱させて申し訳ない、存在しています。セックスシーンに関しては現実と悪夢が半々くらいの、境界線は曖昧なイメージです。内面を暴露しないゴトーの潜在的な不安を表現するためにあのような形になりました。

撮影にはどれくらいかかりましたか?

一週間ほどです。コロナによる自粛ムードが広がる直前あたりに撮影していました。また、見ていただいたので分かると思いますが、ラストシーンは最小人数で緊急事態宣言下に追撮に臨みました。

あのネットカフェには独特の雰囲気がありました。どうやってあの場所を見つけられたのですか?

実はあのネットカフェは店内・ブースの中・バックヤード・外の洗濯置き場という四つの別々のロケセットから成り立っています。中でも店内は普通のネットカフェだと予算を大幅にオーバーするため、閉店予定の安く貸していただけるお店を、ロケーション担当が相当な努力で探し当てて、さらに上手く交渉してくれた最高のロケーションでした。また、そのお店からブースをそのまま移植する形で東京藝大の機材倉庫にセットを組んで、ブース内を様々な角度から撮影することを可能にしています。さらにはそれらをマッチングさせる技術スタッフの腕前も素晴らしく、全てが上手く噛み合って、あのネットカフェの独特の雰囲気が出来上がっています。

今回の撮影にあたって、新型コロナウイルス感染の影響を受けましたか? コロナウイルス感染によって変化した社会状況に合わせて、撮影もしくは脚本を書き換える必要があったりしたのでしょうか?

ありました。ポスプロの段階においてですが。普段はおそらく書き換えたりはしないのですが、『ゴトーさん』が扱っている問題があまりにも現実の状況に寄り添ってしまったため、コロナを無視したフィクションにする方が不自然になってしまうと感じ、そのように判断しました。

新型コロナウイルス感染拡大によって、雇用保障も労働者の権利も軽視した社会状況を生み出した、この資本主義経済が、いかに不確かなものかが明らかになりました。現実の政治問題を、どのように脚本の中に織り込んでいったのかお話していただけますか?

現実の政治問題について、それを脚本の中で扱う必要がある今回のような場合においてですが、なるべく個人的な問題として扱うようにしようとは思っています。社会と個人の対立がある時に、個人の側からそれを描くことが映画であると思っているからです。また、その問題に対して、メッセージ性のある主張や説教めいたことを伝える映画は嫌いなので、なるべくそういうものを排するようにしています。

今回のような社会問題に触れた内容の映画製作に対して、資金面でのバックアップを得るのは難しかったですか?

東京藝大の製作による企画で、始めから外部の資金を得て作るタイプの映画ではありませんでした。ただ、ありがたいことに、芳泉文化財団から企画に賛同いただき、助成を得ることで製作が可能になりました。このようなバックアップがあることは作り手にとっては大いに励みになります。

観客の方達に、この映画から何を汲み取って欲しいですか?

好きなようにこの映画を楽しんでいただくことが一番なのですが、この『ゴトーさん』という映画の世界が、見ていただいた方の現実と、どこかで地続きで繋がっているかもしれないと感じられる瞬間あればいいなと思います。

English

Thank you for making the film and for taking part in the interview.

Thank you to you for watching the film and your fantastic review as well.

Where did the idea for Gotō-san come from?

It started from a project plan competition held in the production course of the Department of Film Production at Tokyo University of The Arts. A Taiwanese student producer (she is the planning producer of this film) proposed an idea based on a true story. One of her friends worked in an internet café whilst living there. I thought it would be interesting if I brought out the peculiarity of a claustrophobic space of an internet café, then I started writing the script. 

The film has two tones, one a quirky romance while the other is more of a horror movie.

I think that it probably results from the character of Goto, whose personality is elusive. He is an ordinary person whose lifestyle is a bit unusual. I didn’t want to depict him as an easy-to-understand character or as a person who bares his heart. Therefore, he exists without exerting a strong presence, as if he buries himself in the space [of the internet cafe]. Just the presence of Goto in the dark internet cafe creates a horror-like atmosphere since we never know what he is truly thinking. His romance is also not realistic. He seems like a child playing a pretentious romantic game even though the scenes showed plenty of sexual images. He just doesn’t express himself, even for a romance. I think that is why there is a quirky tone to the romance in the film.

I found the main character to be emblematic of the younger generation. Few career prospects but also a desire to pursue an alternative lifestyle. What did you want to convey with the character?

Quite frankly, there is nothing I want to convey with this character. Goto’s characteristic is just as you said. I made this film with the intention of affirming his way of life. I feel uncomfortable with the social trend that you should live positively and set yourself goals to achieve. Goto’s lifestyle is opposite to that, and I feel more attached to a person like Goto.

Hirofumi Suzuki gives a good performance. It was important for keeping a consistent tone of the film. Why did you cast Hirofumi Suzuki in the lead role?

I decided to cast him because of his sitting posture when I saw him at the audition. In this film, there is a lot of sitting and acting. I considered that the sitting posture would be crucial for the role because he needed to be sedentary for many scenes in the film. I think the way Suzuki-san played the role, sitting relaxed in the booth of the Internet café, expresses at a glance that Goto is a person who makes that place his home. He is an actor who can perform with a wide range of gradations and so he responded well when I asked him to pare back his performance, like “Do not do this or that”. For example, he picked up my casual remarks such as, “Maybe Goto-san is the kind of person who cannot make eye contact whilst talking to someone.” He acted excellently through subtle nuance.

I felt that the character of Riko was particularly interesting. Many in society find it easy to be dismissive of sex workers and yet you show her to have more self-determination than the lead character. What did you want to say with her?

I just wanted to portray Riko as a person who is struggling to make ends meet. However, I wanted to stay away from the stereotypes and stories that society imposes on sex workers. I believe that there is more reality in the way I have portrayed her.

Why did you cast Tomomi Fukikoshi?

Although she looks fragile and delicate on the surface, I could see and feel an inner strength deep within her. She was marvellous at showing an everyday quality in her acting. The first scene we shot with her was where Riko picks up a phone in a booth in the internet café. She was whispering on the phone but was not quite considerate. At other times, she speaks coarsely to the internet cafe staff. You can instantly see Riko’s upbringing from her (Fukikoshi’s) performance. I feel like I couldn’t fully capture the character even though I wrote it, but thanks to Fukikoshi-san, she brought Riko to life. 

How did you prepare everyone in the cast for their roles? Did you have detailed discussions about the whole of the story? Did you allow them freedom to improvise or did you ask them to stick to the script?

We only had one day to rehearse before we started filming, so I told them about the whole of the story and gave them descriptions of their individual roles that were not written in the script. We decided on the fundamental tone of acting whilst discussing [these things]. I usually tell actors what to do about their movement or position on the set, but apart from that, I tend to leave actors to do their jobs. I even tell actors that there is no need to stick to the script. As for ad-libs, I try to be flexible. While not everything is okay, I accept performances that come out spontaneously if the actors capture real unrehearsed emotions.

The widow for the character of safety vest beardy is definitely real but was the sex scene at the end a nightmare/mental projection?

Oh, I’m sorry to confuse you. Yes, the widow does exist. She is real. The sex scene is something like a cross between reality and nightmare. It has turned out to be like that to depict the underlying anxieties which Goto never reveals.

How long did filming take?

It took about a week. We were shooting just before the spreading mood of “self-restraint” which was a response to the Covid 19 pandemic. You have probably noticed that the last scene was a follow-up shot during the Covid 19 state of emergency. It was done with a smallest amount of cast and crew necessary.

The internet cafe has a strong atmosphere. How did you find the location?

I’m giving away the secret now. The internet café was made from four different location sets, containing the inside of the café, the booths, the backyard and the outside laundry area. I feel extremely happy to have had the location of the internet café. One of our location scouts managed to find a soon-to-be-closed-down internet café and negotiated the renting fees. It would have gone well over our budget if we had used ordinary internet cafes.

We also managed to transfer booths from the café to a warehouse on the university premises and created the film set with booths. It enabled us to shoot inside a booth at several angles. The technical staff combined the scenes of those location sets with their excellent techniques and successfully created the unique atmosphere of the internet café.

Did Covid-19 impact filming? Did you have to change filming or the script to address the new situation?

Yes. It impacted at the post-production stage. I normally wouldn’t have rewritten the script. However, since the story line of ‘Goto-san’ is closely linked to real life, I thought I should rewrite it. The story would have been unrealistic if I had ignored the Covid-19 situation.

Covid-19 exposed just how precarious life is in modern capitalist economies where job security and workers’ rights are low. Could you talk about how you implemented real-life politics in your script?

In a film like this, when I have to illustrate a real-life political issue in the script, I do it through an individual’s problem. If there is a conflict between society and an individual, I believe that the film should depict it from an individual’s perspective. I am not fond of films that have political messages or ones that become a mouthpiece for directors, so I would rather avoid making them.

Was it difficult to get financial backing for something more political?

This film was a project produced by Tokyo University of The Arts. It wasn’t the kind of film that gets external financial backing. However, I appreciate that the HOUSEN Cultural Foundation approved the project and supported it financially. This kind of financial support will be a strong incentive for filmmakers.

What do you want audiences to take away from the film?

I think it would be the best if audiences enjoy the film in whatever way they like, but I also hope that the audience will have a moment which gives them a feeling that the world of the film ‘Goto-san’ might be connected with their own life.

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